生命科学領域の研究資源が集積している九州大学病院地区には、各部局が保有するさまざまな先端研究機器が整備されています。これらの先端設備を有効活用して九州大学の研究力強化につなげるため、平成27年度研究大学強化促進事業「生命科学教育研究支援プラットフォームの構築(担当:生医研・山崎晶教授)」の採択を受け、病院地区の4部局が連携し、生命科学の最先端研究機器の共同利用推進と研究環境の向上を目指す事業として発足しました。平成29年度より農学研究院が加わり、現在5部局にて運営を行っています。
【先端研究基盤共用促進事業】
先端研究基盤共用促進事業(新たな共用システム導入支援プログラム)に採択され、平成30年度から令和2年度まで実施しています。
先端研究基盤共用促進事業では、3年間にわたり、以下の方針の下に共用システム化を推進しています。
(1)高額機器を「個人管理から組織管理へ移行」するためのルールの策定
(2)日常的な汎用機器のリユースの促進
(3)Webベースの予約システムの導入
(4)部局内の課金システムを大学内外に拡大し、積算根拠をもった料金体系を設定
(5)マニュアルの整備と英語化
また、水平展開として、別キャンパスの生命系部局との連携を全学支援のもとで進め、キャンパス間で機器の相互利用を促進しています。生命科学系共用機器(学外利用可 依頼分析対応)169台が利用されています。
〇共用設備・機器の一例
〇特徴的な取り組み
【共用機器の利用情報】
令和2年度は、3台の共焦点レーザー顕微鏡の合計1553件の利用と、6台のセルサイトメーター・セルソーターの合計2210件の利用がありました。
理学研究院所属の方が生体防御医学研究所の研究室所有の円二色性分散計(CD)を利用しました。CD装置は蛋白質のペプチド結合に由来する円偏光の吸収の差(円二色性)を測定する装置で、蛋白質の2次構造を反映します。キャンパスの垣根を超えた利用を歓迎します!
【担当者からひとこと】
生体防御医学研究所に設置されているクライオ電子顕微鏡に最新の電子直接検出器が導入されました。
2021年夏から本格運用が始まります。(生体防御医学研究所・技術支援室・技術職員:鵜川亮)
生命科学教育研究支援プラットフォーム https://q-plat.kyushu-u.ac.jp/